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フィスコ統合報告書レポート

Vol.9

シュローダーがESG投資宣言

世界大手の投資運用会社であるシュローダーは11月20日、2020年までに全アセットクラスでESG投資を実施することを宣言しました。同社は2017年にESG投資手法を規定した社内認定制度「サステイナビリティ認定」を策定し、同認定を取得した投資運用額(AUM)割合は現時点で全体の50%である約32兆円ですが、2020年までに100%に高めるとしています。

同社のサステイナビリティ認定においては、ESG投資を「ネガティブ・スクリーニング投資」、「ESGインテグレーション投資」、「サステイナビリティ投資」、「インパクト投資」の4種類の手法に分類し、お客様が、ESG要因がそれぞれどのように考慮されているかを分かりやすくしています。また、お客様は投資プロセスにおいてESGがそれぞれどのような役割を果たしているかの違いを確認することもできます。

「ネガティブ・スクリーニング投資」は、特定の業界を投資対象から除外する投資手法です。除外される業界の例としては、武器、たばこ、原子力発電、ポルノ、ギャンブル、アルコール製品、動物実験、化石燃料などがあります。除外理由としては、宗教的倫理観に反するものが多かったのですが、最近は原子力や化石燃料など環境破壊に起因するものも増えています。もともと米国のキリスト教教会が資産運用を行う際、たばこ、アルコール、ギャンブルなど教義に反する内容の業種を投資対象から排除したとされるSRI(責任投資原則)に由来しています。現在では、ネガティブ・スクリーニングは、世界最大のESG投資手法です。

「ESGインテグレーション投資」は、既存の投資先判断の中に、財務情報だけでなく、非財務情報、すなわちESG情報をともに織り込んで投資判断を行うというものです。特定のものだけを除外したり、特定のものだけを選抜するのでもなく、全体的な銘柄評価の中でESG観点が考慮されるのが、その特徴です。

「サステイナビリティ投資」とは、社会や環境に関する特定のテーマを設定し、それに関連する最も大きな努力をしている企業に投資を行う手法です。その次のステップとしては、それらの企業のサステナビリティへの取り組み成果を向上させるよう、エンゲージメントを実施することが挙げられます。世界全体のESG投資統計の中で、サステナビリティ・テーマ投資の割合はごくわずかで、最近ようやく伸びてきています。

「インパクト投資」は、従来の経済的なリターンの獲得に加えて、投資を通じて社会的課題の解決を目指す投資のことです。投資がリスクとリターンの2次元平面で評価され、効率性ばかりが追求されるようになり、かつ短期間でリターンを稼ぐことが良い投資と考えられるようになりました。同時に、投資の目的から「社会への影響」が欠如し、公正な社会の実現のための資金を必要としている事業に投資が向かいにくくなったという現実があります。

シュローダーは、ESG投資おける全体戦略およびガバナンスが評価され、国連責任投資原則(PRI)が「A+」と評価しています。「A+」を取得している署名機関は全体の25%だけです。

以上、参考になれば幸いです。

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