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フィスコ統合報告書レポート

Vol.22

日本企業の統合報告に関する調査

https://assets.kpmg/content/dam/kpmg/jp/pdf/2020/jp-integrated-reporting.pdf

KPMGジャパンから「日本企業の統合報告に関する調査2019」が公表されています。2014年からスタートし、今回で6回目のサーベイですが、2019年に企業内容等の開示に関する内閣府令が改正され、金融庁からは「記述情報に関する開示の原則」が公表されたため、有価証券報告書との開示状況の比較も行われています。2019年の統合報告書の発行企業数は513社ですが、うち日経225構成企業の175社を対象に集計しています。

同調査では、統合報告書を7つの項目から分析していますが、“業績”、“ガバナンス”については以下の通りレポートされています。

業績:多くの企業が業績の変動理由を付記していますが、中長期の戦略目標に至る過程として、現在の業績を説明できている企業は48%でした。有価証券報告においては、財務パフォーマンスに影響を与える非財務指標を特定し、その変動を踏まえて経営成績の分析を示して行くことが、説得力の付加につながるでしょう。

ガバナンス:CEOの資質は大切な要素の一つでありながら、説明のある企業はまだ10%です。企業が実現を目指す目標には、短期で取り組むものだけでなく、中長期で見据えるものも多くあるはずです。その前提を踏まえ、将来の価値想像を担う責任者たるCEOに求める資質について、考え方を示すべきでしょう。有価証券報告書においても、ガバナンス体制と戦略目標を関連付け、自社の事業特性等を踏まえて説明が求められます。

さらに同調査では、投資家と企業の建設的な対話に資する統合的レポーティングを目指して、3つの提言を行なっています。第1は、“ストーリーで伝える(読み手の正確な理解を得るためには、価値創造ストーリーを構成する情報の相互の繋がりを示すことに加え、適切順序での説明も大切です)”こと。第2は、“財務インパクトの大きい非財務情報を伝える(経営者は、企業の目的達成に向けて、どのような事業環境の変化を見通し、その状況下で事業を継続させるために、何がクリティカルだと考えるのか)”こと。第3は、“どのような媒体でも根底にあるストーリーは共有する(部門間の連携を強化することで一貫したストーリを共有し、それを発信する媒体ごとの役割や読み手に応じて工夫することが望まれます)”ことです。

以上、参考になれば幸いです。

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